思考術・仕事術

ワークフローだけではNG!

ちゃんと法律屋もやっている
クライアントと稼ぐ方程式を探究・実践する、
課題解決の外部頭脳、

名古屋の社外COO(スーパー・ファシリテーター)、
「さわちゅう」こと、澤田隼人です。

特定行政書士ってなんですか?
って、最近聞かれることが多いですが^^;

で、いろんな会社のいろんなワークフローを
ファシリテーターとしてみているわけですが、
その中でも、

法律的にどうなのか?

という観点で見ることも少なくありません。
もちろん、業務効率化の面で見ることも、
あるわけですけど、ね。

確かに、ワークフロー的には、
いいかもしれないけど、
法的にはNGだよね、ということも。

例えば、転居したり誤って配達された
郵便物の管理。

これ、めちゃめちゃ法的には、
考えないといけないことが多いんです。

廃棄は絶対にNG。
(器物損壊罪に当たる可能性大。)

開封も絶対にNG。
(信書開封罪に当たる可能性大。)

で、明らかに誤配達のものについては、
その処理方法が郵便法に定めがあります。

(誤配達郵便物の処理)
第42条 郵便物の誤配達を受けた者は、その郵便物にその旨を表示して郵便差出箱に差し入れ、又はその旨を会社に通知しなければならない。
2 前項の場合において誤つてその郵便物を開いた者は、これを修補し、かつ、その旨並びに氏名及び住所又は居所を郵便物に表示しなければならない。

で、問題は、第42条に定める
誤配達とはいえないような場合。

特に、民法上の事務管理が
継続しているような場合には、
非常に困るのです。。。

(事務管理)
第六九七条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。
2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。

(管理者の通知義務)
第六九九条 管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。

(管理者による事務管理の継続)
第七〇〇条 管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。

まぁまぁ酷、というのが、
事務管理なんですよね・・・。

事務管理が成立しているような
状態ですと、

「その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法」

で管理しなければならないので、
一律で差出人に返送していいのか、
悩まなければいけないのです、法的には。

ま、えいやーで返しちゃっているところ、
多いとは思うんですけど、リスクでしかありません。

なので、この辺のところは、

例えば

通常のレンタルオフィスでは
一定期間、追加でお金をいただいて管理し、
その後は返送する

というようなことを、
契約時に条項として入れ込んでいます。

で、当然、返送に関する条項は、
守秘義務などと同じく

有効期間を契約終了後の
相当期間経過後まで

としておかなければNGですけど、ね。

忘れ物(遺失物)なんかも、
管理がメンドウなもののひとつです。

遺失物法には・・・

(施設占有者の義務等)
第十三条 第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない。

(施設占有者の留意事項)
第十五条 施設占有者は、第四条第二項の規定による交付(以下第三十四条までにおいて単に「交付」という。)を受けた物件については、第十三条第一項の規定により遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。

(不特定かつ多数の者が利用する施設における掲示)
第十六条 施設占有者のうち、その施設を不特定かつ多数の者が利用するものは、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に第七条第一項各号に掲げる事項を掲示しなければならない。
2 前項の施設占有者は、第七条第一項各号に掲げる事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。

というような規定がありまして・・・。
善管注意義務があるんですよね・・・。
これまた厳しい。。。

ワークフローだけ考えると、
1ヶ月保管して、廃棄とか、
しちゃってたりするんですけどね・・・。

まぁ、明らかにNGですけど。
保管し続けるのもNGですが。

でね、ボクがよく発する問いに、

権限はあるか?

というのがあるんですよ。

それを、そーするにつき、
権限があるのか?

これを常に確認しましょう、
って、会社内でもクライアントにも、
お伝えしています。

それ、本当にあなたが
やっていいことですか?

ってことなんですけど。

このね、権限というものは、
絶対に越えてはいけないもの、
なんですよ。

というのも、

権限があるからこそ、
責任がとれる

からです。

権限がない以上、
責任が取れないんです、
なにかあったとしても。

もう少し、分かりやすく
言い換えるとするならば、

無責任極まりないことを、
無権限だとやっている

ということです。

もちろん、責任が取れない範囲のことを
したからといって、免責されるわけじゃ
ないわけですよ。

より重たい責任を負わされる、
ということなんですよね。
(なにせ、無権限ですから。)

会社内でも、どこまで権限があるのか、
はっきりとさせておきたいのは、
責任の所在を明確にするためなんですよね。

あとはね、

義務を果たしているか?

これも、考えなければいけません。
特に、法的義務・契約上の義務、です。

善管注意義務、事務管理なんかの
義務が発生しているとき、

契約上の義務が課せられているとき、

こいう場合には、要注意です。
結構、義務を果たしていないことが・・・。

 

というわけで、ワークフローだけ見ていると、
法的にNG、リスクが高すぎる、なんてこと、
非常に多くあるわけです。

 

ま、その辺をうまくファシリテートするのが、
ボクの役割でも、あるわけですけど、ね。







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澤田隼人(1985年12月9日生まれ)は、多才なゼネラリストであり、特定行政書士として「行政書士ほみにす法務事務所」を運営。2009年の創業以来、会社設立や医療法人設立など幅広い法務サービスを提供しつつ、社外COOとして経営者を支え、事業戦略、資金調達、マーケティング、組織構築、人材採用・育成、マネジメント、コーチングに携わっている。 経営理念「Design New -温故知新-」は、伝統と革新を融合させた戦略を反映。ファシリテーション株式会社の代表取締役としても、多面的なビジネス支援を展開し、企業の成長を後押ししている。 また、ITスキル(HTML、SEO)やマーケティング知識(PPC広告、ブログ集客)を活かし、多様なクライアントのニーズに応えている。さらに、司法書士・税理士・社労士・土地家屋調査士、弁護士事務所での経験を活かし、複雑な法的問題への対処や士業の管理にも精通している。 大手予備校・河合塾のチューター時代から人気を博し、20年以上セミナー講師としても活躍。多面的な視点とスキルでクライアントの成功に貢献している。
【アクセス】ファシリテーション株式会社

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